寒い日が続きますね。
私は先月末に修士論文を書き上げ、今は学生最後の春休みです。
春からは社会人になります。
ようやく酸素を消費して二酸化炭素を排出するだけの無意味な存在から
社会に何かを貢献できる存在へと変わる第一歩を踏み出そうとしています。
このブログはこの春に閉鎖しようと考えています。
理由は
このブログはもう役目を終えたと判断したからです。
このブログの役目とは【アビーロードの組長】として
東京大学アビーロードのOB部員として
インターネット上にブログを通じて
現在進行形でその存在をアピールすることでした。
少なくともブログ開設時の動機はそうだったはずです。
しかしおそらくもうその必要はなくなるでしょう。
少なくとも私が【アビーロードの組長】として
これからもここから発信し続ける必要は、私には感じられない。
(まあ事実上はすでに開店休業状態ですが)
養老猛の著書『バカの壁』はその名前の認知度に対して
一体どのくらい内容を理解しているひとがいるのか私は疑問を持ちますが
(少なくとも東大生なら一度は読んでおくべきだと思いますが)
そこで書いてあることの一つに【変化】に関する話があります。
万物流転、情報不変。
人間は変わる、しかし情報は変わらない。
ある時間ある場所で「私」という人間がある行動を起こした。
その記憶であり記録であるものは、情報として存在し永遠に変わらない。
過去は永遠に変わりません。
しかし人間というのはその情報の入れ物であり運び屋であって
その入れ物に入れる情報は常に同じでなければならないという制限はありません。
つまり中にあるものは好きなように入れ替えてよいのです。
中にあるものが、過去にあったものとは、もう違うのだから
いまの「私」は、過去の「私」という人間とは異なる、と言うことができるのです。
過去に残された情報はずっと変わらず、永遠に残り続けるが
それを媒体する人間は常に新しい情報を持って変わり続けてゆける。
私は私自身の次のステップへの必要性を感じて
このブログを止めることを決めました。
単純にもうダラダラ続けるのはよくないだろうという判断です。
ただし私はブログ自体は良いものだと思っています。
情報を記録として残すことは決して悪いことではない。
たとえば過去の情報をいまの人間が取り出して利用することはあるでしょう。
歴史の教訓というのは、そのような方法によってでしか生かされません。
しかし【過去の人間】が【現在の情報】を語ることはできないのです。
もう私にあるアビー的な材料であり情報はすべて過去のものになってしまった。
重要なのは「アビーロードの組長として」続けることが不可能になったことです。
もう私はここには居ません。
なぜなら私はもう次の私へと歩き出してしまったからです。
ここにあるのは過去の私が残した過去の情報です。
かつて先輩方がサークルから疎遠になって行くとき
なぜ彼らが離れていくのか私には理解できませんでした。
しかし今ではその理由が少し分かるような気がします。
「忙しいから」「もう歳だから」「飽きたから」
それは建前であっても本音ではないような気がしていましたが
彼らも私と同じようなポジティブな動機で離れていったとすれば
これは非常に腑に落ちる気がするのです。
くり返しますが情報は不変です。
私は変わりますが、私は決して過去を否定しようとは思わない。
本来ブログとは「WEB-LOG:ウェブ上のログ(記録)」という意味ですが
このブログも私は過去の情報として残して置こうとは思います。
ただしおそらく最も有用であろうと思われる
ライブとスタジオでの音源と動画ついては
姉妹サイトの『KUMICHO ARCHIVES』に整理し
より資料として検索・利用しやすい構造にする予定です。
ウーピンをはじめとして私が関わったバンドの演奏は
素人による荒削りで非常に単純なものでした。
しかしだからこそ何をしているのかが聴き取りやすく
本家ミュージシャンがやっていることから
我々が巧妙に分析・抽出し再現しようとしたポイントを
比較意的簡単に見つけられる良い材料になると思います。
(モノマネをするのは難しくても、モノマネのモノマネなら簡単なように)
また私がこの5年間サークルで歩んできた足跡は
このブログの中にだけではなく、
共に過ごした多くの仲間たち(先輩・同期・後輩)と
サークルを通じて知り合った方々の心にも残っていることも
また大きな事実であり重要で大事で大切なことです。
そして彼らの中に残っている(と信じていますが:笑)
私が、正確には私についての情報が、与えられている名は
他でもない【組長】なのであります。
またいつか時々は帰ってくることもあるでしょう。
そのときはまた「組長」と声をかけてください。
帰ってくる場所があるというのは良いことです。
ただし
それはきっとネット世界の中ではなくて
リアル世界での出来事になると思いますが。